Android エミュレータでの Android アプリケーションの実行

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RAD Studio ではデフォルトの Android エミュレータを用意しています。このエミュレータは rsxe5_android.exe という名前で、C:\Users\<ユーザー名>\.android\avd\ ディレクトリ内にあります。デフォルトの rsxe5_android エミュレータを使用してもかまいませんし、Android エミュレータを自分で作成することも可能です。

デフォルトの Android エミュレータはスクリプトで作成しますが、スクリプトでは GPU emulation という重要なプロパティを追加できません。このプロパティを rsxe5_android.exe エミュレータに追加する必要があります。方法は「デフォルトのエミュレータに GPU エミュレーションを追加する」で説明します。

Android エミュレータ上でアプリケーションを実行する前に、「Android エミュレータを起動する」で説明する方法で Android エミュレータを起動してください。そうすると、IDE から Android アプリケーションを実行するときの起動時間が短くなります。

デフォルトの RAD Studio Android エミュレータ（rsxe5_android）を表示した［Android 仮想デバイス・マネージャー］
Android 開発ツールがデフォルトでインストールされる場所は以下のとおりです。
C:\Users\Public\Documents\RAD Studio\12.0\PlatformSDKs\adt-bundle-windows-x86-20130522\sdk\tools

デフォルトのエミュレータに GPU エミュレーションを追加する

デフォルトのエミュレータ（rsxe5_android）では、［ホスト GPU を使用する］プロパティがデフォルトで設定されていません。GPU エミュレーションを有効にすると、エミュレータの実行速度が向上する可能性があります。手順は以下のとおりです。

  1. ［Android 仮想デバイス・マネージャー］を開きます。［スタート｜すべてのプログラム｜Embarcadero RAD Studio <バージョン>｜Android SDK｜Android 仮想デバイス マネージャ］を選択します。
    AllProgsAndrVDMgr2.png
  2. rsxe5_android エミュレータを選択し、［編集...］ボタンをクリックします。
    メモ： rsxe5_android エミュレータが存在しない場合、独自に Android エミュレータを作成することができます。「Android エミュレータの作成」を参照してください。
  3. ［Android 仮想デバイスの編集 (AVD)］ダイアログ ボックスで、［ハードウェア］フィールドの［新規...］をクリックします。
    SelectHWNew.jpg
  4. エミュレータ プロパティのリストで［GPU emulation］プロパティを追加（選択）し、［OK］をクリックします。
    AddNewPropertyEmulator2png.png
  5. ［GPU emulation］プロパティの値を［yes］に設定します。
    GPUEmulationYes.jpg
  6. ［AVD の編集］をクリックして、変更内容を保存します。

Android エミュレータを起動する

  1. ［Android 仮想デバイス マネージャー］を起動します。［スタート｜すべてのプログラム｜Embarcadero RAD Studio <バージョン>｜Android SDK｜Android 仮想デバイス マネージャ］を選択します。
  2. ［Android 仮想デバイス マネージャー］で、使用する Android エミュレータをリストから選択し、［開始...］をクリックします。
  3. ［起動オプション］ダイアログ ボックスで［起動］をクリックします。
    LaunchOptionskh.png

アプリケーションを Android エミュレータ上で実行する

  1. RAD Studio で Android アプリケーションを開きます。
  2. ［プロジェクト マネージャ］で、エミュレータを有効なターゲット プラットフォームにします。
    必要であれば、［ターゲット プラットフォーム］ノードを展開し、［Android］ターゲット プラットフォームをダブルクリックします （アクティブにしたターゲット プラットフォームは太字で表示されます）。
    1. ［プロジェクト マネージャ］の［Android］ノードを展開します。
    2. 子の［ターゲット］ノードを展開します。
    3. ターゲットの Android エミュレータをダブルクリックしてアクティブにします （アクティブにしたエミュレータは太字で表示されます）。
      メモ： エミュレータが表示されない場合には、［ターゲット］ノードを右クリックして［更新］を選択します。それでもエミュレータが表示されない場合には、「［ターゲット］ノードの使い方」を参照してください。
    次の画像では、デフォルトの rsxe5_android エミュレータが動作していて、［プロジェクト マネージャ］でターゲット プラットフォームの設定がアクティブになっていることがわかります。
    EmulatorInIDE2.png
  3. FireMonkey モバイル フォーム デザイナのデバイス選択用ドロップダウン リストで、使用しているエミュレータに合わせたデバイスを選択します。以下に例を示します。
    • デフォルトの rsxe5_android エミュレータと組み込みのスキンを使用している場合には、［10.1" WXGA Android タブレット (800dp x 1280dp)］を選択します。
    • エミュレータで WQVGA400 デバイスを使用している場合には、［3.3" WQVGA Android スマートフォン (240dp x 400dp)］を選択します。
  4. 以下の方法でアプリケーションを実行します。
  5. コンパイルおよび配置に関するメッセージが IDE に表示されます。
  6. エミュレータが動作していない場合には、IDE に "選択されたエミュレータが動作していません。起動しますか?" と表示されます。［はい］をクリックします。"エミュレータを起動しています" というメッセージが表示されます。
  7. エミュレータ画面を開いてアプリケーションが現れるのを待ちます。
    次の画像は、カスタムの Nexus 4 エミュレータで単純な Hello World! アプリケーションが動作しているところです。
    AndroidEmulatorRunningApp.PNG

RAD Studio によって Android 向けアプリケーションがビルドされ、選択した Android エミュレータ上で実行されます。アクティブな Android エミュレータが実行中でない場合、RAD Studio はダイアログ ボックスを表示して、ユーザーに Android エミュレータを起動するかどうかを尋ねます。Android エミュレータ画面がロックされている場合には、ロックを解除してアプリケーションにアクセスしてください。

Android エミュレータでは、非 ARM システム上で ARM プラットフォームをエミュレートするため、本物のデバイスよりもパフォーマンスがかなり低くなります。パフォーマンスが原因で Android エミュレータと RAD Studio を並べて使用できない場合には、「Android アプリケーションをリモートで実行およびデバッグする」を参照してください。また当然ながら、エミュレータには本物のデバイスが提供している機能の一部がありませんが、位置情報機能などの一部の機能をエミュレートすることができます。

関連項目