Delphi Stories
1995年2月、米国カリフォルニア州スコッツバレーで産声をあげたDelphiは、フル機能のネイティブビジュアル開発ツールとして登場しました。それから四半世紀以上の歳月を経て、ネイティブコンパイラを搭載したクロスプラットフォーム開発ツールへと進化しました。
2025年はDelphi 30周年
2025年2月、Delphiは30周年を迎えます。これに先立ち、エンバカデロでは、2025年1月30日(木)KANDA SQUARE ROOMにて、ライブイベント「Delphi 30th Developers Day」を開催します。同イベントでは、本社からエグゼクティブが来日するほか、コミュニティによる開発事例やプログラミングテクニックに関する講演、海外のチームと接続したYouTubeライブ公開配信などの企画も予定しています。
ご来場いただいた方には、もれなく「Delphi 30周年記念ミニライト」を進呈。ぜひご参加ください。
Delphi 30周年記念イベントの概要Delphiとは
Delphiは、元々ボーランドによって開発されたWindows向けのRAD(Rapid Application Development)ツールです。 Delphi作者のひとりアンダース・ヘルスバーグは、その前身であるTurbo Pascalの原作者でもあり、 その後、マイクロソフトでC#やTypeScriptを作っています。
Delphiという名称は、本来新しい開発ツールのコードネームに過ぎませんでした。 それは、「デルフォイの神託」で知られるギリシア中部の聖域「Δελφοι」に由来します。 Delphiは、ヨーロッパでは「デルフィー」、アメリカや日本では「デルファイ」と発音します。 世界のユーザーの中では、「どれが正しい発音か?」といったコンセンサスはなかなか得られませんが、 Delphiが世界一級の開発ツールであるという点では全員の意見が一致しています。
Delphiが登場した1995年は、プログラミング言語にとって重要な年でした。 JavaとJavaScriptが登場したほか、Ruby、PHP、Luaなどはそれより少し前に誕生しています。 DelphiのPME(プロパティ – メソッド – イベント)アーキテクチャは、JavaやC#にも顕著な影響を与えています。
Delphiの概要Delphiは、マルチデバイス開発に対応。従来からのビジュアル開発、ネイティブコンパイラのメリットはそのままに、 多様な開発要求に対応できます。
最新のDelphiはAI開発支援機能を搭載
Delphi 12.2 Athensでは、新たにAIプラグインのオープンアーキテクチャを導入し、OpenAI、Gemini、Claude、Ollamaをサポート。Smart CodeInsightは、これらのAI LLMを用いて、IDE内でAIチャットを利用できるほか、バグの検知、コードの説明の追加、コメントの追加、コード補完、コードの最適化、C++/Delphiのコード相互変換などを実行できます。
Smart CodeInsightの概要AI時代のDelphi
Stable Diffusion Client
AIによるアート生成デスクトップアプリ
- オープンソースサンプル
- 50以上のカスタムStable Diffusionモデル
- イメージ変換とアップスケール
- クラウドベースまたはオンプレGPU対応
- Windows、macOS、Linux
CodeDroid AI
AIによるDelphiコード/フォーム生成
- オープンソースサンプル
- GPT-4、Vicuna-13、他のLLMに対応
- カスタムプロンプトテンプレートシステム
- クラウドベースまたはオンプレGPU対応
- Windows、macOS、Linux
その他のDelphi AIオープンソースプロジェクト:
Text to Video Client
AIを使ってテキストから映像を生成 ダウンロードSDXL Inpainting
生成AIによる画像修復 ダウンロードAI Vision Chat
AIを用いてイメージと対話 ダウンロードワールドワイドの開発者コミュニティ
サポートプラットフォーム
6
稼働可能なデバイス数
50億
サンプルアプリ数
942
開発者数
300万
Delphi イノベーションの歴史
Windows向け開発ツールとして登場したDelphiは、コンポーネントによるビジュアル開発と容易なデータアクセスを特長としていました。その特長は現在も受け継がれ、Windows、macOS、Android、iOS、さらにはLinux向けのクロスコンパイルが可能となり、かつ、主要なRDBMSだけでなく、クラウドサービス/エンタープライズサービス、IoTなどとの接続性も提供するように進化しています。
Delphiの特長を表す言葉に「F9のユーザーエクスペリエンス」があります。これは、「コンパイル/実行」が割り当てられていた[F9]キーに由来します。Delphiでは、[F9]キーを押すだけで、すばやくコンパイルし、アプリケーションを実行できたのです。
現在のDelphiでは、これをマルチデバイスへと拡張し、同じ[F9]キーを押す操作で、多様なデバイス向けのアプリケーションをビルドし、各デバイスでリモート実行/デバッグできるようにしています。
Delphiの進化をたどる最新のDelphiでは、ターゲットプラットフォームを切り替えるだけで、Windows、macOS、iOS、Android、Linux向けのネイティブアプリケーションを構築できます。
VCL – Windows向けネイティブ開発の最強フレームワーク
VCL(Visual Component Library)は、ビジュアル/非ビジュアル双方のDelphiオリジナルコンポーネントライブラリです。VCLは、Windows APIやプラットフォームコントロールをカプセル化し、数多くのカスタムコントロールを提供しています。
Delphiでは、VCLによってドラッグ&ドロップのビジュアル開発がサポートされます。VCLでは、コードからUI要素を分離するActionListを用いることで、コマンドパターンに基づくモダンなアーキテクチャを利用できます。同時に完全なオブジェクト指向ライブラリであるため、MVVMやDependency Injectionといったさまざまなデザインパターンを実装することもできます。
VCLにはスタイル機能が用意されており、モダンなUIの構築をサポートしています。わずかなコード修正だけで、古いWindowsのルック&フィールを、モダンなWindows 10スタイルに刷新できます。
DelphiのWindows向け開発機能VCLを用いることで、Windowsの能力を最大限活かしたアプリケーションの構築が可能です。
FireMonkey - クロスプラットフォーム開発を実現
FireMonkeyは、Delphi(およびC++Builder)でマルチデバイス開発を支えるアプリケーションフレームワークで、Windows、macOS、Android、iOS、さらにはLinux向け(*)ネイティブアプリケーション開発を可能にします。開発者は、単一コードベースで、これらのプラットフォーム向けの高性能アプリケーションを構築することができます。
*LinuxサポートはDelphiのみ。GUIの開発にはFMX Linuxを使用。
FireMonkeyは、他のクロスプラットフォーム開発ツールとは異なり、「最大公約数」のエクスペリエンスで妥協することはありません。FireMonkeyは、ユーザーインターフェイス、データベース、ネットワーク通信、デバイス間通信などの強力なクロスプラットフォームライブラリを提供するとともに、必要に応じてネイティブプラットフォームへのフルアクセスも可能にしています。
複数プラットフォーム向けにそれぞれ別個のUIを設計する作業は、アプリケーション設計の中で最も時間のかかる工程です。FireUIマルチデバイスデザイナを用いれば、マスターフォームのUIを設計したら、これを継承し、プラットフォームごとのカスタマイズが可能になります。これにより、時間を浪費する重複的な作業から解放され、マスターフォームをベースにデバイスごとに微調整するというパラダイムシフトが実現します。
Delphiのモバイル開発機能Dream Solutionsは、ナイアガラフォール イルミネーション ボードでナイアガラの滝のライトアップに使用しているソフトウェアLight Factoryを制作しています。このソフトウェアは、VCLとFireMonkeyの双方を使用しています。
FireDAC - 接続性はシステム構築の重要な要素
FireDACは、エンタープライズデータベースへの接続性を提供するマルチデバイス対応の共通データアクセスライブラリです。InterBase、SQLite、MySQL、SQL Server、Oracle、PostreSQL、IBM DB2、Informix、SQL Anywhere、MongoDBなどをサポートしています。
FireDACは、データベース固有の機能やパフォーマンスを犠牲にすることなく、複数のデータベースに共通の方式でアクセスできます。FireDACを用いれば、データアクセスを抽象化/単純化でき、高負荷で複雑なデータアクセス処理を、効率的に行うことができます。
Delphiのデータアクセス機能FireDACは、多様なデータベースに対し、コンポーネントによる共通のアクセス方式を提供します。
WindowsおよびLinuxでバックエンドサーバーを構築
Delphiの開発能力は、クライアントサイドのみではありません。Delphiでは、クラウドサービスの連携で一般的なREST/JSONによるWeb APIを構築できます。その作成方法は、コンポーネント指向。ドラッグ&ドロップで、サーバーサイドのアダプターコンポーネントやJSONデータ処理コンポーネントを配置できるほか、ウィザードによって多様なデータソースへのアクセスをノンコーディングで実装できます。
さらにDelphiは、Linuxプラットフォームもサポートしており、Windows向けに構築されたサーバーサイドアプリケーションを、Linux向けに再構築することができます。
Delphiのサーバーサイド開発DelphiのLinuxサポートにより、サーバーサイドアプリケーションの構築プラットフォームの選択肢が増えました。FireDACもLinuxで利用できるので、変更はわずかです。
高い可視性 – Delphiはプログラミングを楽しく学ぶ最善の方法
Delphiは、教育用としても最適です。それは、明快で分かりやすく、なおかつ、重要なコンピュータサイエンスの基本原理を隠蔽することがないからです。Delphiは、Pascalをベースとし、オブジェクト指向プログラミングの考え方を採り入れています。その最新かつ強力なプログラミング言語は、ソフトウェア開発の基礎を学び、実践していくのに最適です。
明快な構文は、プログラム内のバグ発生を抑止する効果もあります。強い型付け言語であるDelphiは、プログラムが予期しない動作をすることを防止し、品質向上にも役立ちます。
南アフリカの高等学校では、すべての生徒がDelphiを使ってコンピュータサイエンスを勉強しています。南アフリカでは、エンバカデロの教育プログラムの一環として、年間数万ライセンスが供与されています。
新たにリリースされたCommunity Editionを用いれば、個人やスタートアップ企業の方であれば、無料でマルチデバイス開発を行えます(商用開発には制限があります)。今すぐDelphiでプログラミングを学びましょう。
Delphi Community EditionをダウンロードDelphi Boot Campには、世界各国から10,000人を超える開発者が参加しました。Delphiコミュニティは、国や年代を超えて、広く活動しています。
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