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西都原考古博物館の館内ナビスシステムをRAD Studio / Delphi + BeaconFenceで構築

宮崎県立西都原考古博物館が、エンバカデロならびに丸紅情報システムズが提供するソリューションにより、博物館内のナビゲーション、展示物の案内等を多言語で提供するスマートフォン向けアプリ「西都原考古博ナビ」を構築しました。このソリューションは、省電力で電波を発信するビーコン(丸紅情報システムズ製の「rapiNAVI Air2」を使用)と、これを用いて位置検出を行うエンバカデロのソフトウェア開発機能「BeaconFence」によって構成されています。

開発事例「宮崎県立西都原考古博物館」

セッションレポート:「宮崎県立西都原考古博物館」開発事例

第32回 エンバカデロ・デベロッパーキャンプで、西都原考古博物館の開発事例を紹介。開発に携わった技術者が、その詳細を語ります(Papyrus合同会社 代表社員 吉田 弘、株式会社シリアルゲームズ 取締役 細川 淳 - 第32回 エンバカデロ・デベロッパーキャンプより)。

特別史跡西都原古墳群は、宮崎県のほぼ中央、一ツ瀬川の右岸、市西都市街地の西の通称「西都原台地」とその周辺の中間台地や沖積地にあり、その範囲は南北4.2km、東西2.6kmに及び、面積は58haを超えます。古墳群は、3世紀末から7世紀にかけて築造されたもので、その数は319基(前方後円墳31基、方墳2基、円墳286基)です。

この古墳群の西よりに、2004年4月にオープンしたのが「宮崎県立西都原考古博物館」です。高語学専門のフィールドミュージアムとして、常に新しい情報を提供する「常新展示」と、誰にでもやさしい「ユニバーサルデザイン」の徹底を基本としています。

展示室の説明は多言語対応したいもののスペースの問題があり、日本語になっています。これについては、音声ガイドによってのみ、日本語、英語、中国語、韓国語の4ヵ国語の多言語対応を行ってきました。また、デザインや展示の雰囲気を重視した設計のため、現在地が分からなくなったり、トイレや出口に迷ってしまうという問題も生じていました。そこで、これを解決する方法として、リアルタイムマップの提供を計画したのです。

開発した館内ナビシステム「西都原考古博ナビ」は、RAD Studio / Delphiによって構築されており、RAD ServerのBeaconFence機能を用いてビーコンによる屋内測位を実現。館内の現在位置をスマートフォンで確認できるようにしました。アプリは、iOS、Androidの双方で利用でき、現在位置の適切な解説を、日本語、英語、中国語、韓国語の4ヵ国語から選択して読むことができます。解説は、現在位置だけでなく、フロアに設置されたQRコードを読み取ることでも表示可能。個々の展示物の情報を、お好みの言語で得ることができます。

 「西都原考古博物館の展示室では、強制的な導線を設定していません。どこからでも自由に見てくださいというコンセプトで作っているからです。西都原考古博ナビでは、ビーコンを活用することで展示室の地図上に現在位置を表示します。これなら、現在位置が分からなくなることもなくなり、興味に従って自由に展示をご覧いただけます。」

宮崎県立西都原考古博物館
学芸普及担当リーダー 副主幹 東 憲章氏