Bremmers Audio Design
アプリケーション
MultitrackStudio for Windows and Mac OS X
開発ツール
- Delphi
Bremmers Audio DesignのWindows開発者は、同社の音楽ソフト「MultitrackStudio」をDelphi XE2とFireMonkeyを用いて開発することで、Mac OS Xへの対応も可能にした。Mac OS Xへの対応は、わずか20秒で済む。
「FireMonkeyなら、IDEを抜ける必要はまったくなく、すべてのタスクは、ターゲットプラットフォームを切り替え、ビルド、実行する数クリックの操作で済むのです。このタスクは20秒ほどで完了します。」
– Giel Bremmers, Founder
Bremmers Audio Design社のMultitrack Studioは、オーディオトラックおよびMIDIトラックの録音、編集、ミキシングをサポートするマルチトラック音楽録音ソフトウェアだ。世界中にMacが広まるのに伴い、MultitrackStudioの開発者は、できるだけ早くアプリケーションをMac OS Xで提供しなければならないと感じていた。
開発にはDelphiとVCL(ビジュアル コンポーネント ライブラリ。Microsoft Windowsアプリケーションを開発するためのビジュアル コンポーネント ベースのオブジェクト指向フレームワーク)が使われていた。エンバカデロ・テクノロジーズがFireMonkeyを搭載したDelphiをリリースすると、MultitrackStudioの開発者は、VCLとFireMonkeyの両方と連携できるよう、自分たちのカスタムコントロールを作り替えたのだ。
Delphi RTL(ランタイムライブラリ関数/手続き)では一般的なほとんどの関数のクロスプラットフォーム版が提供されており、CやCocoaの任意のフレームワークに対してプログラムを作成することもできた。Core AudioやAudio Unitsなど、Mac固有の一部のコードを書くだけで、Mac版が動作したのだ。
「FireMonkeyのソースコードにはOS固有のコードが含まれないため、非常に理解しやすいコードになります。そのため、アプリケーションに合わせて機能をカスタマイズすることができました。FireMonkeyのスタイルの編集も簡単で、FireMonkeyは非常に使いやすく強力なツールでした。」と、Bremmers Audio Design創業者のGiel Bremmers氏は語る。
MultitrackStudioにはDelphiで書かれた膨大な量の自動GUIテストがあった。そのテストをFireMonkeyで動かすことは非常に簡単であった。これはつまり、プログラムをMacに配置した瞬間から、数百ものテストを使用できるということだ。MultitrackStudioチームは、それぞれのテストについて順に簡単な変更を行って、Macユーザーの期待どおりにプログラムが動作するようにしたのだ。
「WindowsバージョンからMacバージョンにすばやくデバッグ対象を切り替えられることは、大幅な時間の節約につながりました。IDEを抜ける必要はまったくなく、すべてのタスクは、ターゲットプラットフォームを切り替え、ビルド、実行する数クリックの操作で済むのです。Delphiコンパイラの高速性のおかげで、このタスクは20秒ほどで完了します。Windowsプログラミングのスキルで、Macバージョンのアプリケーションを作成できたのも、Delphiのおかげです。」(Bremmers氏)