課題
厳しい性能基準を満たし、カスタマイズされたゲームエンジンを搭載し、かつ小規模な独立系開発チームでも保守できる、マルチプレーヤー型のオンラインゲームの構築。
結果
2019年1月、アーリーアクセス版としてリリースされた「Rise of Legions」は、10万人を超えるユーザーを夢中にさせた。このゲームは登録無料だが、スキンの強化やゲーム進行のためにはゲーム内課金が必要となる場合がある。
Broken Games社は、ベルリン(ドイツ)に本拠を構える、小規模ながらも、野心的な独立系ゲーム開発会社である。主力ゲーム「Rise of Legions」は、Windowsプラットフォーム上で動作し、参加者がゲーム内の登場人物になって進行する多人数参加型ロールプレイングゲームだ。共同創始者のTobias氏 と Martin氏は、新規ユーザーには始めやすく、コアなファンには試練と奥深さを兼ね備えたゲームを通して、プレイヤー同士の幅広い交流を提供することに注力している。
「今日の最適化技術を考慮しても、私たちの試算では、Delphiの処理速度は依然、他の言語コンパイラの4倍も速いのです。」
Tobias Tenbusch, CTO/Co-Founder
課題
厳しい性能基準を満たし、カスタマイズされたゲームエンジンを搭載し、かつ小規模な独立系開発チームでも保守できる、マルチプレーヤー型のオンラインゲームの構築。
ソリューション
創始者のMartin Lange氏とTobias Tenbusch氏が独立系ゲーム会社を起業したとき、 ふたりが求めていたのは高い性能、コンパイルスピード、卓越したコード可読性とメンテナンスを備えた開発環境とプログラミング言語だった。そして、見つけた答えがDelphiであった。
ゲーム開発業界に独立系スタジオとして参入することは大きな挑戦であろう。Broken Games社は、Unityゲームエンジンを評価したが、高価すぎ、信頼性に不安が残ると判断した。最終的に同社は、Delphiで独自のゲームエンジンを開発することを決めた。この決定により、自分たち以外の価格設定モデルに左右されるようなコスト要因を削減するとともに、開発チームは、そのアップデートやバグ修正を独自のサイクルで管理できるようになった。開発チームは、ゲームエンジンのソースコードにアクセスすることで、すばやくバグを解決できる。洗練されたDelphi言語によってソースコードを記述することで、新しいツールの習得に要する時間も短かった。
結果
2019年1月、アーリーアクセス版としてリリースされた「Rise of Legions」は、10万人を超えるユーザーを夢中にさせた。このゲームは登録無料だが、スキンの強化やゲーム進行のためにはゲーム内課金が必要となる場合がある。
Broken Games社は、同ゲームにおいて品質、実装の容易さ、可用性のバランスを実現するために、カスタムフォント レンダリングの選択肢を比較、評価した。DirectWriteは同社が求めていたフォント品質を提供したが、実装には多大な労力を要した。FireMonkey(FMX)のソースコードでは、Windowsプラットフォーム向けのDirectWriteを、カプセル化する方法で対応した。同社は、カスタムフォントを描画し、そのイメージデータをDirectX 11 テクスチャにコピーしてスクリーン上に表示させるために、FMXのTCanvas とTTextLayoutを使用している。FMXは、同社が、今後サポートプラットフォームを追加していく選択肢も提供する。