Bruner Consulting Associates Inc.
アプリケーション
クラスII 医療機器(ウェアラブル)ハードウェア/ソフトウェアの開発ツール
開発ツール
- RAD Studio
- C++Builder
課題
- iOSをサポートするハードウェアの限界
- 変換タスク用の資源配分
- プログラミング言語アップデート時のFDA規制要件
結果
- 新製品開発から市場化までの時間短縮
- エンタープライズアプリへの拡張性
- iOS、 Android、 Windowsのサポート
米国コロラド州ロングモントに本拠を構えるBruner Consulting Associatesは、25年間にわたり、クラスII医療機器市場向けリストバンド型デバイスとホストアプリの開発に成功している。同社の最新リストウェアラブル技術は、睡眠、体内時計、薬物研究、ADHD、むずむず脚症候群に関係する多様な研究用アプリケーションに採用されている。
Bruner Consulting Associatesの顧客には、ヘルスケアプロバイダ、研究機関、軍事機関が含まれる。AMI (Ambulatory Monitoring Inc.)とのパートナーシップにより、その主力製品ActME、WatchWareをはじめ、5品目のソフトウェア指向型製品を市場に投入している。 現在、日本市場向けに新しいZZZ-Loggerバージョンを開発中である。
「RAD Studioの機能の中でとりわけ気に入っている点は、必要なコンポーネントがすべてそこにあり、視覚的に確認できること。そして、クロスリファレンスできるところです。クリックするだけで、期待通りに動いてくれるし、ナビゲーションもとても容易なのです。」
– Martin Bruner, Engineering Lead
課題
Martin Bruner氏は、同社のエンジニアリング・リーダーとして、10年以上にわたってC++Builder により開発を行なってきたバリバリのC++開発者だ。TI Professional Computer向けTurbo Pascal の時代から、ボーランド製品、そして現在のエンバカデロ製品を使い続けている。1986年当時、この開発プラットフォームは、オハイオ州立大学電気工学プログラムで優先的に使用されていた。
同社では、製品開発という観点では物事は比較的順調に進んできたが、自社の新規・既存製品ライン向けに新しくデスクトップ/モバイルアプリを開発すべき時期を迎えていた。その目的で、Bruner氏のチームは、リストバンド型モニター技術をサポートするためにAndroidアプリを開発したが、Bruner氏はまもなく、他のプラットフォーム向けに使える選択肢が限られていることに気づいた。 「AMIアダプターが、iOSでは対応していないBluetooth Classicのサポートしか使うことができず、その選択肢はAndroidに限られていました」と同氏は説明する。
iOS向けの開発では、コードの移植という課題に直面した。「Androidをサポートするときは、C++コードを比較的容易にJavaに移植することができました。しかし、JavaコードをiOSやOS X向けのプログラミング言語であるObjective-CやSwiftに移植するにはあまりにも多くの作業が必要であることが分かりました。当社には、大規模な開発チームはなく、 アダプター担当者が1名、ソフトウェア担当者が1名、ハードウェア担当者が1名という少人数の体制だったため、最大の費用対効果をあげるために資源を慎重に配分する必要があったのです。」(Bruner氏)
ソリューション
Bruner Consulting Associatesは、Android、 iOS、デスクトップを単一コードでサポートするとともに、Bluetooth LEサポートを実現するため、Embarcadero RAD Studioによるアプリの書き直しを決めた。RAD Studio は、単一のコードからWindows、OS X、 iOS、 Androidに対応するクロスプラットフォームネイティブアプリケーションを構築できる、迅速かつ効率的な開発ソリューションだ。
同社はまた、エンバカデロのパートナーでありクラウドソリューションプロバイダのKinveyから提供されるBaaS(Backend as a Service)の採用を決めた。Kinveyは、現在のところデータ変換およびトークンストレージ用に使われているが、スリープデータの保管、デバイスへのプッシュ通知に利用することも計画している。
Windows、Android、iOS、OS X、ガジェット、ウェアラブル向けの開発をサポートし、広範な接続性を提供するネイティブクロス開発スイートRAD Studioを用いて、Bruner氏は既存コードベースを、エンバカデロが提供するC++ツールチェインに置き換えることに成功した。 そして現在では、Nordic BLE SoC 半導体をベースとする新しいリストバンド型デバイスにも取り組んでいる。「今、私は開発プラットフォームとしてnRF51_DK を使用しています。さらに、当社のリストファームウェアの1バージョンを、Androidのウェアラブルデバイスに移植することも計画しています。つまり、当社の次期製品はすべて、Bluetooth LEサポートを提供することになるのです。」
同社ハードウェアおよびソフトウェア技術への関心が高まる中、国際市場からは、ハイエンド機能を追加できる有償オプションが用意された、安価なバージョンを要望する声が強くなっているとBruner氏は言う。「こうしたニーズに応えてサブスクリプションベースのモデルに乗り出すチャンスと見ています。」
同社では現在、すべてのプロジェクトがRAD Studioによって記述されている。ドラッグ&ドロップで開発できるコンポーネントとバックエンドとの接続性が、RAD Studioをとても使いやすいものにしている。「RAD Studioの機能の中でとりわけ気に入っている点は、必要なコンポーネントがすべてそこにあり、視覚的に確認できること。そして、クロスリファレンスできるところです。クリックするだけで、期待通りに動いてくれるし、ナビゲーションもとても容易なのです。」(Bruner氏)
同社の開発環境は今や5言語を擁するが、Bruner氏は特にRAD Studioの言語機能が気に入っている。「プログラマーが二人しかいない開発チームにとって、その単純明快性が大いに助けとなっています。私が利用しているEnterprise Editionは、エンタープライズアプリへと拡張もできるのです。」
メリット
Bruner氏は、現製品ライン向けにiOS/デスクトップバージョンを提供できることを満足気に語っている。 「同時に、私たちはBluetooth LEで動作する新しいスマートウォッチ製品の開発を進めています。RAD Studioを用いることで、作業を予定通りに完了でき、これまでよりもずっと生産性を向上させることが可能になっています。」
Bruner氏は、C++で作業を継続できる点も高く評価する。「私は、C++の経験が長いので、C++で物事がどう機能するかを見るのに慣れきってしまいました。今でも、すばらしい言語だと思っていますし、特に組み込みデバイスソフトウェアの領域では最高と言えます。C++の構文には慣れ親しんでいますが、時には大きなジャンプが必要な時期もあります。今まさに、その学習曲線の真っ只中にいるのです。」
RAD Studioを使えば、その学習曲線も短縮されると同氏は言う。「それはビジネスにとっても非常に重要なことです。」
Bruner Consulting Associatesのビジネスは、最先端ヘルスケアおよび軍事用アプリケーションをグローバルな規模で提供している。それは同社が25年以上貫徹してきたビジネスであり、その一貫したビジネスをエンバカデロ・テクノロジーズから提供されるRAD Studioで実現しているのだ。
「AndroidとiOSをサポートするために移植を実現できたことを本当にうれしく思っている。それは当社のビジネスにとって大きなアドバンテージとなるだろう。」
– Martin Bruner, Engineering Lead