課題
- 既存製品をWindows Vistaで動作させること
- 大規模開発チームを抱える競合他社に対抗すること
- SOA アーキテクチャを用いた信頼性の高いアクセスを提供すること
結果
- 業界初のVistaおよびXPで動作するソリューションを実現
- 10倍以上の大規模開発チームを擁する競合他社に対抗
- SOA、webサービス、web/クライアントサーバーに対応するサポート
Euclid Technologyが提供するClearVantageは、Delphiで構築されたCRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)、ERP(エンタープライズリソースプラニング)、eコマース、Web CMS(コンテンツマネージメントソリューション)を網羅した統合システムである。ClearVantageは、業界団体および非営利団体ユーザー向けに考案され、現在、職員数15人~1000人規模の100以上の組織に導入されている。
「Delphiを採用した結果、Euclid Technologyは業界で初めてWindows Vistaで動作するエンタープライズソリューションを市場に投入できたのです。」
– Charles Vinal, President and CEO, Euclid Technology
EuclidがDelphiで構築したものとは?
ClearVantageソリューションの機能・特徴は、受付係から会員管理、そして執行役員まで組織内のあらゆるメンバーが利用している。さらに、業界団体や非営利団体の職員はClearVantageで統合・強化されるウェブサイトを利用して 商品の購入、注文の追跡、請求書の支払、会員組織との交流を行っている。eコマースとwebコンテンツ管理機能を搭載したMember Connectは、約75のウェブサイトを統合的にサポート、毎週100万人以上がアクセスする。
中味を見てみよう
ClearVantageは、広範なビジネスロジックをサービス指向アーキテクチャ(SOA)に組み込み、プロプラエタリ、標準ベースのインターフェイス(例:SOAPとXML)の双方を介してアクセス可能なアプリケーションである。以下の4つのユーザーインターフェースオプションを用意、ユーザー要件に応じた機能性を提供する:職員向けのスマートで薄型のパワフルなクライアント(ClearVantage.sc)、社内およびリモートユーザー向けのhtmlクライアント(ClearVantage Web)、スマートフォンユーザー向けのモバイルウェブクライアント(ClearVantage Mobile)、そして高機能カスタマイズWebサイトを構築、管理するためのWeb開発プラットフォーム(ClearVantage MemberConnect)である。 ClearVantageには、クエリ、通信、クロスタブやチャーティングといったビジネスインテリジェンスツールが網羅的に統合されている。ClearVantageはSQL Server 2005データベースを使用、また、SQL Server 2000 とエンバカデロのInterBaseで動作する。
Euclid社はClearVantage エンタープライズアプリケーション(480,000行を超えるコード、プラス 多様なサードパーティコンポーネント)をDelphi 5からDelphi 2007へとポーティングした。SOAとwebアーキテクチャもDelphi 7からポーティングされたが、必要な作業はリコンパイルだけであった。同アプリケーションは現在、Vista上で動作し、ガラス効果とダイアログのすべてを標準装備、オプションでOffice 2007リボンインターフェースを搭載、XP上と同様に動作する。
Web Servicesは基本的には、他のweb開発アプリケーションとの統合を容易にするために、ISAPI DLLに包含されている。ISAPI DLLは、同プログラムのWebサービスに接続してデータを取得、そして、フォーマット化されたウェブページまたは生XMLデータといった選択されたフォーマットで呼出し側アプリケーションにデータを戻す。クライアントは、ASP、ASP.NET、ColdFusion、PHP、Perlを含む、ほとんどすべてのプラットフォームからClearVantageの「web オブジェクト」 (つまりISAPI DLL)にアクセスする。ClearVantageではSOAPおよびXMLを通じて当社のSOA/webサービスへの直接的アクセスが可能だが、開発者の大半は、webオブジェクトに渡されたURL名/値ペアを使用して同機能にアクセスする。
ClearVantage Mobileは、統合型webブラウザ機能を搭載しているスマートフォンやPDAであれば、アクセスできる。さらに、デスクトップアプリケーションClearVantage.sc (スマートクライアント) は直接Outlookと統合、インターネット接続なしでPDAをユーザーのOutlookデータと同期させる。 ただし、どんな携帯電話接続でも動作するCV Mobileの登場により、Outlook同期型モデルは、場所、方法、時間を問わず常にデータが利用可能なアプローチに比べて魅力に劣るだろう。
Delphiは明確な選択だった
10年前、Euclid社はClearVantageを構築するために利用可能なあらゆる選択肢を検討していた– Visual Basic、 PowerBuilder、 C++、そしてDelphiである。 同社CEOのCharlie Vinalによれば、「堅牢な開発環境と真のオブジェクト指向ツールであることを根拠として、我々はDelphiを利用できる最良のツールだと判断した。時間とともに、Delphiは進化を遂げ、我々のニーズに応えてくれる。原点であるクライアントサーバー開発から今日の広範なWebベースサービス開発サポートまで、Delphiの採用により、当社の広範な実証済みコードベースを放棄することなく、インターネットが提供する新たなチャンスを大いに享受している。」
Delphiによって開発チームの生産性はさらに向上
「Delphiを用いることで我々の生産性は向上、10倍の規模をもつ開発チームにも対抗できる」とVinalは述べる。「我々はすばらしい基礎を築くことができた、そして中核的機能はオブジェクト指向アーキテクチャにカプセル化されているので、何分の一の時間で古い配管を引き抜いて新しい系統に配置できる。社員25名、5名のエンジニアから成る開発チームで、当社は50~100人の開発チームを抱える競合他社に対抗、当社のソフトウェアの評価は常に競合他社を凌ぐ。見込み顧客がソフトウェア評価を行う場合には、当社の成約率は90%である。」
「我々は、オブジェクト指向アーキテクチャからサービス指向アーキテクチャへの移行において、Delphiを使い続ける。当社のコードは高度に最適化され、Webサービスに包含されて、自社、サードパーティを問わずどんなアプリケーションからもアクセス可能だ。そして、当社のSOAアーキテクチャを通じてアクセスできるため、顧客に対し、より優れた、より信頼性の高いソフトウェアを提供できる。
Delphiが卓越している点は、完成すべきすべての作業を完了できる完全なソリューションを提供するところにある。Web、クライアントサーバー、Webサービスは申し分なくサポートされる。アプリはそのネイティブコードで組まれ、超高速で動作する。eコマース、コンテンツ管理ソリューションも迅速に構築できる。我々の顧客の多くは、単純なインターフェースでは役に立たないような非常に複雑なプロセスを運用している。 そこにDelphiは最高に充実し、容易に配置できるインターフェースを提供してくれる。ひとつのツールが多様なデリバリーメカニズムに対応できる生産性の高さを与えてくれる。」
Vistaで先手!がマーケティング・ウィン
ClearVantageをWindows Vistaに準拠させることは、Microsoftプラットフォームで標準化し、次年度にVistaへの移行を予定しているEuclidの顧客の多くにとって重要事項であった。 Vinalによれば、「顧客はVistaのAeroインターフェース、新規ダイアログその他の機能を使いたいと望んでいた、あるいは、近々そうした要望が出てくることが予想された。顧客は、Euclid社が真のテクノロジーリーダーなのか、しかも単に準拠するのではなく先行しているのかを知りたがっている。」
Vinalは、時々、Microsoft OS対応の開発ツールとしてCodeGearを使用しているかと質問されることがあるという。 その時の答えは単刀直入、「当社は業界で初めてVistaでの動作を実現、今もXPで完璧に動作している。製品としても会社としても成功の鍵は一目瞭然。CodeGearによって我々は他社の先を走り続ける。」
「Delphiを採用した結果、我々は業界で初めてVista対応アプリケーションをリリースできました。それを機にテクニカルリーダーとしての地歩が確立されたのです。」
– Charles Vinal, President and CEO, Euclid Technology