課題
- 数百万行のコードと300以上のアセンブラ関数から成る複雑なデジタル シグナル プロセッサ。
- 現状では、大規模なMacユーザー基盤に対応するネイティブサポートがない
結果
- 関数とコードを直接結び付けることが可能に
- 迅速なコーディングとプロトタイピング
- Macユーザーへの対応拡大
数百万行のコードと300以上のアセンブラ関数から成る複雑なデジタル シグナル プロセッサ。現状では、大規模なMacユーザー基盤に対応するネイティブサポートがない
「ネイティブ開発には、Delphiが私にとって第一の選択肢だ。」
– Jean-Marie Cannie, CTO and Founder
課題
FL Studioプロジェクトでは、デジタル シグナル プロセッサ用に250万行以上のコードと300以上のアセンブラ関数を扱う。これまで、大規模なMacユーザー基盤に対応するネイティブサポートがなかった。現在、同社の製品開発スタッフは15名だ。
Image-Line Software社のCTO/創業者Jean-Marie Cannie氏は、音楽制作ソフト事業に関わる以前から、Turbo Pascalを長年使っていた経験者である。「Turbo Pascalは、我々がアーケードゲーム、そしてミュージックシーケンシングに参入する以前から、株式市場向けソフトウェア開発の基盤として使用していた開発ツールだった。」
ソリューション
Image-Line社がビデオから音楽制作ソフトへと移行した際、 Cannie氏は、開発プラットフォームとして、Embarcaderoから提供されるDelphiに切り替えることを決めた。 「インライン アセンブラが利用でき、関数とコードを直接結び付けることのできるDelphiは、我々にとって、非常に重要な開発ツールだ。古典的な開発ツールではそこが巧くいかない。一方、Delphiを使えば、ボタンを追加してダブルクリックするだけで、熟知したプログラミング言語で迅速にコーディングできる。」
「インライン アセンブラが利用でき、関数とコードを直接結び付けることのできるDelphiは、我々にとって、非常に重要な開発ツールだ。」
– Jean-Marie Cannie, CTO and Founder
結果
Delphiを使えば、コンパイルとプロトタイピングが迅速で容易に行える、とCannie氏は言う。「Delphiはとにかく素晴らしい。我々が求めるネイティブスピードを実現するには、Delphi以外に考えられる唯一の選択肢はC++だ。両方を使ってみた感想として、Delphiの方が生産性と使いやすさという点で勝っていると思う。ネイティブ開発には、Delphiが私にとって第一の選択肢だ。」
Cannie氏にとって、コンパイル済みライブラリも重要な特徴だ。「Delphiを使うと、すべてのユニットがコンパイル済みだ。コード1行を含むブロックをひとつだけ変更する場合、C++では1分半かかるのに対し、Delphiならば数秒で完了する。これはまさにDelphiがもつ独自の特徴だ。」
Cannie氏は 特にDelphiの 64-bit コンパイラとmacOSへのネイティブサポートを画期的な進展と評価している。「近年、Macを使う音楽制作者の割合が増大しているので、その対応にとても有用だ。7月初旬に最初のテストバージョンを動作させてみたが、半年以内にオーディエンス向けに具体的な成果を提供できると期待している。顧客が苦労することなく、Windows、macOSの両方でネイティブに動作する製品が誕生すれば、顧客基盤の拡大につながる上、Macに切り替えたために「無償アップグレード期間」特典を逃してしまうWindowsユーザーにも歓迎されるだろう。まさに、我々にとって大きなブレークスルーだ。」
Image-Line社にとってモバイルは今のところ主な注力対象ではないが、Delphiを使ったiOSデバイス向け開発の将来性を調査しているとCannie氏は言う。「これらのツールが提供する多くの利点は、ひいては、我々の顧客にも多くの恩恵をもたらすことになるだろう。」
「顧客が苦労することなく、Windows、macOCの両方でネイティブに動作する製品が誕生すれば、顧客基盤の拡大につながるだろう。」
– Jean-Marie Cannie, CTO and Founder