LabInfo Systems LLC / Bio-Nuclear
アプリケーション
臨床診断用先端機器、製品/サポートサービス
- 臨床試験データレポーティングに係る「相互運用性」要求事項との適合を可能にするラボラトリー情報管理システム(LIMS)
- アプリケーションモジュールには、ワークフロー管理、サンプルID、データ取得、データ分析、レポーティング、ラボ管理/自動化サポートが含まれる
開発ツール
- Delphi
- InterBase
課題
- インターネット接続のない遠隔地のラボ
- 非効率なワークフローに起因する低い生産性
- 精度の低下、レスポンスタイムの遅さ
結果
- すべてのラボを結ぶリアルタイム接続性
- データベースの集中管理と暗号化によるセキュリティ強化
- ビジネスチャンスの拡大
LabInfo Systems社は、 1994年にBio-Nuclear社の一事業部門として発足、 現在、プエルトリコ、米領ヴァージン諸島、カリブ海地域でサービスを提供している。その顧客であるImmuno Reference Labは、440以上の臨床検査施設を有し、プエルトリコ市場の50%に相当する量のレポートを扱っている。また同島最大の民間参照試験所のひとつであるImmuno Reference Labは、年間160万件以上の検査を実施している。
「我々は今、患者が任意のデバイスから臨床試験結果にアクセスできるモバイルデバイス開発の最終段階に来ています。Delphiが提供する統合開発環境は、LIMSにとって、臨床用アプリ革命と同じペースで進化し、患者にとって実用的で安全な選択肢となるための柔軟性をもたらします。」
– Julio E. Rodriguez, Sr. Software Development Engineer
課題
Immuno Reference Labの事業は長年、集中型のデータベースも検査施設間の相互接続性もなかった。 歴史的に、臨床試験の依頼と試験結果は所定の書式で直接手渡ししていたため、分類の間違い、データ損失、エラー、報告の遅延というリスクが増大しつつあった。こうした手作業による手続は極めて非効率的で、生産性の低下、レスポンスタイムの遅れ、精度の低下という問題を生じていた。
島内のインターネットが普及し、信頼性が高まるにつれ、LabInfo Systems社は、暗号化され、保護された単一のプラットフォーム上で業務を集中管理すべき時期が到来したことに気づいた。それが実現されれば、Immuno Reference Lab 内部、さらにImmuno Reference Labと440カ所を超える臨床検査施設との間でも、データ入力/レポーティングプロセスの自動化が可能となる。
そこでLabInfo Systems社は、臨床検査施設とリアルタイムで通信可能な単一データベースで情報システムを集中管理するカスタムソリューションの開発を決定した。このシステムには、将来のアプリ開発も可能にする柔軟性が求められた。
ソフトウェア開発シニアエンジニアのJulio E. Rodriguez氏は、ミドルウェアの開発にはエンバカデロ・テクノロジーズのDelphi を、遠隔地のラボをすべて結ぶメインデータベースにはInterBase を採用することに決めた。Delphiは、アプリケーション開発において、設計の効率化とコーディングの迅速化、そしてWindows、OS X、 iOS、 Android、 IoTとの広範な接続性を実現する、理想的なソフトウェア開発ソリューションである。
ソリューション
「Delphiは常に正しい選択肢だった。」とRodriguez氏は振り返る。同氏がDelphiを使い始めたのは1995年、 LabInfo Systems社のアプリケーション開発需要が量的にも複雑性においても増大した年である。「Delphiを使用することで、より堅牢なシステムを迅速に開発し、市場化までの時間を短縮することができた。」と同氏は語る。「Delphiは、高度なアプリ開発/構築に迅速なコーディングツールを提供する、きわめて効率的な、卓越したプロフェッショナルツールだ。」
2007年には、Rodriguez 氏はメインオフィスと遠隔地にある複数の検査施設を結ぶアプリの開発を進めていた。
埋め込み型 WinDev リンクがサイト間のあらゆる通信を標準化するコアとして機能する、と同氏は説明する。「通常、企業が情報を共有する場合、様々な種類の接続を使用している。ミドルウェアとして、Delphiはデータの解釈と標準化によりデータ通信を容易にしてくれる。」
同氏はまた、データベースには、Microsoft SQLに比べ、高いスケーラビリティ、暗号化など高性能の機能をフル装備し、セットアップが容易なクロスプラットフォームデータベースエンジンであるエンバカデロの InterBaseを採用した。
Rodriguez氏によると、「非常に小規模な開発チームには、妥当なメンテナンスコストで遠隔からも容易に管理でき、しかもエンタープライズデータベースの機能がフル装備されているソリューションが必要だった。InterBaseは、Microsoft SQLよりも はるかにメンテナンスが容易で、しかも安価だ。さらに、迅速で、セキュアで、サイト間の連携に優れ、管理タスクはほとんど不要、MSSQLと比べて総所有コスト(TCO)を大幅に低く抑えることができる。InterBaseによって、開発者の作業時間は、既存ラボデータベースのサポートではなくR&Dに集中できる。その確かなスケーラビリティゆえに、私たちはInterBaseに全幅の信頼を置いている。」
「Delphiは、LabInfo Systems社に高度なアプリ開発/構築のための迅速なコーディングツールを提供する、きわめて効率的かつ卓越したプロフェッショナルツールだ。」
– Julio E. Rodriguez, Sr. Software Development Engineer
結果
手作業で行っていた多くの工程を自動化、遠隔地にあるすべてのラボを結ぶことにより、 LabInfo Systems社は、コスト削減と接続性の改善、同時に急速なROIの実現を達成した。
「我々のソリューションの開発/構築/管理はDelphiによって円滑になる。つまり、より少ない時間でより多くの成果を達成できる。そして InterBaseで複雑なタスクを容易に管理し、自分達のソリューションの中できわめてセキュアなデータベースを提供できる。実際、当社は国内で初めて、本島にあるセントラルデータベースと各地の検査施設をすべて接続するという快挙を成し遂げたのです。」(Rodriguez氏)
こうして新たに達成した効率性はサービスレベルの改善と対応力の強化につながった、と同氏は付言する。「今、私たちは、煩雑なロジスティクスではなく、顧客へのコア・オファリングに注力できます。」
2014年、Rodriguez氏は開発対象を拡大、ビーコン、ワイヤレス ヘルス トラッキング、バーコードスキャニングを含め、新しいiOS アプリやその他のIoTプロジェクトに取り組んでいる。「当社は、近い将来、Apple Watch や Apple Healthといったアプリに着目します。」と同氏は語る。
また、そのクロスプラットフォーム、グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)フレームワークとしてFireMonkeyを採用する計画もある。
さらに、Delphiは、LabInfo Systems社が病院やヘルスケア施設、医療保険会社を含む新たな市場に事業を拡大する原動力となっている。 「当社は、今、患者が任意のデバイスから臨床試験結果にアクセスできるモバイルデバイス開発の最終段階に来ています。」 とRodriguez 氏は語る。「究極的には、患者は、PHI(個人健康情報: Personal Health Information)をヘルスケア提供者や PHR(個人健康記録:Personal Health Record)システムに送信できるようになるでしょう。Delphiが提供する統合開発環境は、LIMSにとって、臨床用アプリ革命と同じペースで進化し、患者にとって実用的で安全な選択肢となるための柔軟性をもたらします。」
「InterBaseは、Microsoft SQLよりもはるかにメンテナンスが容易で、しかも安価だ。その確かなスケーラビリティゆえに、私たちはInterBaseに全幅の信頼を置いている。」
– Julio E. Rodriguez, Sr. Software Development Engineer