課題
TachoEASY GmbH は、ドイツ/オーストリアを拠点とし、4 万を超える顧客を擁する保有車両運行管理分野のマーケットリーダーである。TachoEASY では当初、Delphi で開発したソフトウェア TachoLOG®をトラックのデジタルタコグラフ用データ管理ツールとして導入した。その後、運行管理における配車計画およびテレマティクスに包括的なオールインワンソリューションのBlueLOGICO®とTEOS®システムを実装した。
結果
FireMonkeyマルチプラットフォームフレームワークの下に、Windows版だけでなくmacOS版の開発にもAndroidやiOS向けにも、TachoEASYは同じプロジェクトとコードベースを使用できた。デスクトップ、モバイルアプリ、Webを介したデータアクセスを統合することにより、BlueLOGICOは、世界の技術の粋を融合し、Delphiを活用することで、高水準のテクノロジーセキュリティを長期的に提供可能になった。
保有トラック車両の配車計画とテレマティクスを実現
TachoEASY GmbH は、ドイツ/オーストリアを拠点とする、保有車両運行管理分野のマーケットリーダーである。Gerhard Mairhofer 氏(マネージングディレクター)の指揮下に、同社は現在、4 万を超える顧客を擁し、自社製テレマティクスシステムを搭載したトラックの運行台数はヨーロッパ全土で1万台を超える。
TachoEASY では当初、Delphi で開発したソフトウェア TachoLOG®をトラックのデジタルタコグラフ用データ管理ツールとして導入した。TachoLOG®は、運転手の運転・勤務時間と休憩時間をモニターし、企業の労務管理義務の遵守を自動化できるように設計されている。
その後、運行管理における配車計画およびテレマティクスに包括的なオールインワンソリューションのBlueLOGICO®を実装したことは、大きな一歩となった。
課題
BlueLOGICO®の開発に着手した 2012 年当時、TachoEASY では既に FireMonkey(FMX)テクノロジーを活用していた。その時点では、Delphi XE2 の新しいフレームワークに依拠することは未だリスクのある経営意思決定であった。しかし、長年にわたり Delphi 製品およびエンバカデロへの信頼を培ってきた同社にとって、リリース変更中にいくつかのハードルは予想されるものの、大きな反響を呼ぶ、極めて広範なマルチプラットフォームプロジェクトは実現可能だった。TachoEASY が業界のマーケットリーダーになったことには理由があるのだ。
補完機能として追加のモバイルアプリの提供が必要となった結果、TEOS ®アプリの開発につながった。同アプリもまた、Delphi と FireMonkey で構築され、2018 年以降は Android、iOS に対応している。TEOS ®アプリは、運転手と会社の間の効率的な連携・連絡に使用され、システム全体にシームレスに組み込まれている。
「TachoEASY 開発チームは、Delphi と BlueLOGICO フレームワークを活用して高い生産性を達成しています。その結果、短い開発時間でよりよい製品を構築でき、当社は、開発の効率化によって競争優位性を実現できたのです。」
Gerhard Mairhofer 氏(TachoEASY マネージングディレクター)
アプリケーション
TEOS®システム(TachoEasy Operating System)は、保有車両、管理者、運転手を結ぶインテリジェントなテレマティックネットワークの基幹を構成する。
BlueLOGICO Topology
システム・トポロジーは3つのレベルに分割されている。
- ハードウェアは、運転手用にトラックの車載タブレットを用意。さらに運転手はオプションのモバイルアプリも利用できる。
- TachoEASYの自社データセンターでは、各種データを受信、処理し、フェールセーフ、匿名ベースで利用可能にする。
- 顧客のオンプレミスインフラストラクチャは、3層クライアント/サーバーアプリケーションで、DataSnap 技術を用いて広範なデータアクセスが可能なように設定されている。
TachoEASY が特に誇りとするのは独自のグラフィカル オペレーティングコンセプトで、そのための独立したレイヤを Delphi で開発している。この領域ではオブジェクト指向継承を広範に用いている。例えば、アプリケーションを3つの画面に分割し、特定のフォーカスエリアを「ウィジェット」としてエクスポーズし、個別に操作できる。アプリケーションは他のモジュールや開いているウィンドウの依存関係にリアクトする。
BlueLOGICO Operating Concept
中核となる機能は、現在地情報の非常に複雑なトピックである。航空管制塔でのモニタリングと同様、配車係はマップ上でトラックの現在地点を確認できる。そこを基点として、状況に応じた目的地の変更、交通渋滞の回避、シミュレーションの作成、法定運転および休憩時間の遵守状況確認、ルートの追跡、アニメーションおよびドキュメンテーションが可能だ。
車載通信機能は、通常、WhatsApp に似た設計の Android タブレット、DriverDisplay を介して実行される。
高度な自動化は、イベントトリガーによるアクションを通じて実 現される。例えば、自由に定義可能なジオフェンスアクションを作成し、運転スタイル分析を生成し、カーボンフットプリントを判定することができる。
「私たちは長いこと市場を調査していましたが、単一コードベースで、このような開発方法を実現できる製品は他に見つかりませんでした。Delphi に勝るものは皆無です。Delphi がなければ、各々の OS ごとに個別に開発をしなければならなかったでしょう。」
Gerhard Mairhofer, Managing Director TachoEASY
このタブレットはまた別の特別な特徴を発揮にする。詳細なデータとデジタルスタンプ、そして必要に応じて、返送情報や写真ドキュメンテーションを記載した電子請求書を発行、ペーパーレス化に貢献する。
TEOS®アプリは、DriverDisplay の弟分にあたり、モバイルデバイス対応の類似機能を搭載している。拡張機能として、半径距離検索、国境通過、有料道路情報、運転免許証検問所など多数の機能が追加されている。
「Delphi マルチプラットフォーム開発でしばしば見落とされている側面は、結果として実現できる品質管理です。2つのプラットフォーム上で同一コードを実行したにもかかわらず異なる結果を得た場合、自分のエラーをすばやく検知することができます。」
Gerhard Mairhofer 氏(TachoEASY マネージングディレクター)
結果
開発期間中、様々な Delphi バージョンが使用された。FireMonkey マルチプラットフォームフレームワークの下に、Windows 版だけでなく macOS 版の開発にも、Android や iOS 向けにも、同じプロジェクトとコードベースを使用できた。TachoEASY は、必要とされるビジュアル、非ビジュアル コンポーネントのほとんどすべてを Delphi で開発し、高い基準を満たしたのである。
結論
運輸業界は、ゲーム「テトリス」に似ている。輸送サイクルがより 急速かつ複雑になればなるほど、ソフトウェアはより多くの企業 要件をサポートし、競争優位性を獲得しなければならない。デス クトップ、モバイルアプリ、Web を介したデータアクセスを統合 することにより、BlueLOGICO は、世界の技術の粋を融合し、Delphi を活用することで、高水準のテクノロジーセキュリティを長期的に提供する。
将来のバージョンは、TEOS システムに AI 機能を搭載する。Siri の ような AI アシスタントを運転手に提供し、始業時に日常活動や業 務を取得させるという発想である。TachoEASY と Delphi が手を組 み、適正なツールは既に手にしている。
「自動運転ベンチャーとして、私はよく路上に出ます。限られた自由な時間は、タコメーターを確認する必要なしに、楽しいことに専念したいのです。それが、私が TachoEASY の完全自動リモートリードアウトを利用している理由です。このソリューションはドライバーカードと車両データを自動的に読み込み、私の業務用 PC にセキュアに記録・保存してくれます。これにより、時間を大きく節 約でき、法定要件の遵守にも役立ちます。」
国際輸送ベンチャー
より詳しい情報は TachoEASY Website で